気管支喘息において、気道炎症の評価は診断や治療において重要である。呼気凝縮液(EBC)は誘発喀痰や気管支肺胞洗浄(BAL)などに比べより簡便で非侵襲的な気道炎症評価法として注目されている。今回、気管支喘息患者を対象にEBCを採取し喘息の気道炎症状態を反映するバイオマーカーを見出し、これらを用いて喘息の重症度や肺機能との関連を明らかにすることを研究の目的とした。採取したEBCにおいて、気管支喘息患者55名では健常者58名に比しCRP、Eosinophil cationic protein(ECP)、H_2O_2、NO_2/NO_3が有意に上昇しており、気管支喘息患者の軽症持続型は他の重症度に比し、pHが有意に低く、CRP、H_2O_2、NO_3が有意の高値を示していた。またEBC中ECP、H_2O_2、NOは気道閉塞の指標であるFEV1、PEFRと有意の負相関を示した。EBCは非侵襲的に、簡便に採取可能であり、その中に含まれるバイオマーカーを測定することにより、喘息の気道炎症状態の把握や治療効果の判定に有用であると考えられた。
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