研究概要 |
自己組織化マップというデータマイニング手法を大規模な健診結果(8年間に得た14,358名1人平均3.5年分)に適用し、そのパターンを8×8に自動分類した。また、本研究で開発した、分類結果を病態系統樹へ自動展開する機能を利用し、各パターンの検査診断学的意義と相互関係を詳細に分析した。その結果、健常者に現れやすい病態パターンが男女で明瞭に異なり、男性では様々なパターンの代謝症候群があり、それに加えて糖尿病、肝障害などが散見されたが、女性では、代謝症候群に属するパターンは少なく、単純性肥満、高コレステロール血症、高グロブリン血症などのパターンの存在特徴的であった。本年度は、さらに健診時に同時に得られた生活習慣調査結果に基づいて、各病態パターンの特性をリアルタイムに多重ロジスティック分析で評価できる仕組みを構築した。これにより、健診後の指導において、受診者の属するパターンの生活習慣上の問題点を指摘し、その改善に向けた動機付けを行えるようにした。また、受診者の属するパターンが経年的にどのように変化したかを図式化して表示する機能を実装した。これらの改善により、本研究で開発した健診業務支援システムをより実用的なものとすることができた。
|