1.slpAシークエンス・タイピングによる糞便検体からのダイレクト・タイピング法の確立 (1)抗菌薬関連下痢症・腸炎と診断された症例から採取された157糞便検体を用いた。 (2)157検体のうち87検体においてダイレクト・タイピングが可能であった。 (3)その87検体のうち、クロストリデイウム・ディフィシルが分離された75検体では、ダイレクト・タイピング結果と菌株におけるタイピング結果が一致した。 (4)培養ステップを経ずにクロストリディウム・ディフィシルのタイピングが可能であった。 2.北米流行BI/NAP1/027株および日本の病院で複数のアウトブレイクを引き起こしているtype smzのPCRによる同定 (1)BI/NAP1/027株およびtype smz株のslpA遺伝子配列から、それぞれに特異的な部分を選びプライマーを設計した。 (2)検討したBI/NAP1/027株およびtype smz株ですべてそれぞれのPCRで陽性となった。 (3)異なるPCR ribotypeおよびslpAシークエンス・タイプの菌株において上記プライマーによるPCRを行ったところ、PCR ribotype 027ではない1株でBI/NAP1/027株検出用PCRで陽性となったが、そのほかの菌株では陰性であった。
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