研究課題
1.クロストリディウム・ディフィシル臨床分離株の解析(1)平成20年度に収集された臨床分離菌株をPCR ribotypingおよびslpA sequence typingにより解析したところ、北米流行株BI/NAP1/027と同定された菌株は2株認められた。(2)この2株について、tcdCの解析を行ったところ、その遺伝子配列は、BI/NAP1/027で報告されているtcdCの遺伝子配列と同一であった。(3)薬剤感受性試験を行ったところ、2株ともガチフロキサシンおよびモキシフロキサシンに感性で、historic isolateであった。2.Loop-mediated isothermal amplification(LAMP)によるBI/NAP1/027株の同定法の確立(1)BI/NAP1/027株の特異的なslpA遺伝子を、LAMP法により増幅し検出するためにプライマーを設計した。(2)検討した欧米および日本で分離されたBI/NAP1/027株、26菌株すべてにおいてLAMP陽性となり、BI/NAP1/027株の同定が可能と考えられた。(3)PCR ribotype 027以外のPCR ribotypeの39株中38株で、LAMP陰性であった。PCR ribotypeは異なるもののLAMP陽性であった1菌株は、BI/NAP1/027標準株のslpA遺伝子と8 amino acid異なるslpA遺伝子を保有していた。
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感染症学雑誌 82
ページ: 419-426
http://www.nih.go.jp/niid/bac2/C_difficile