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2008 年度 実績報告書

大腸菌、肺炎桿菌以外の臨床分離腸内細菌における薬剤耐性菌の迅速検出と分離状況調査

研究課題

研究課題/領域番号 19590579
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

柴田 尚宏  国立感染症研究所, 国立感染症研究所・細菌第二部, 主任研究官 (50311402)

キーワード腸内細菌 / 基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ / 薬剤耐性菌 / 迅速検出法
研究概要

グラム陰性桿菌におけるβ-ラクタマーゼは、現在数百種類をこえる報告がある。このうち、臨床的に問題となっているβ-ラクタマーゼは、伝達性プラスミドに遺伝子がコードされているタイプで、基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)やメタロ-β-ラクタマーゼがある。メタロ-β-ラクタマーゼ遺伝子の我が国における保有状況は、すでに報告した(N.Shibarta,et al.,JCM41(12),in press,2003)。また、ESBL産生菌に関しては、我が国のCTX-M型β-ラクタマーゼの遺伝子型別と分布状況を報告した(Antimicrob.Agents and Chemotherapy,50(2),2006)。
これらの報告で、我が国では、大腸菌やKlebsiella spp.以外の臨床分離株に広く、耐性菌が広がっていることが示唆された。しかし、我が国の医療機関で行われているこれらの薬剤耐性菌のスクリニングは、Clinical laboratory Standards Institute(CLSI)の推奨する基準に基づいており、大腸菌やKlebsiella spp.を主なターゲットにものであるのが現状である。本研究では、他の菌種におけるこうしたβ-ラクタマーゼ産生菌の鑑別を目的としている。また、こうした鑑別法、型別を行うことにより、新しいタイプのメタロ-β-ラクタマーゼ産生菌の検出にもつながると考えられる。さらに、院内感染対策における疫学調査を行う上でも、大きく寄与すると考えられる。本研究では、クラスAβ-ラクタマーゼに属する基質拡張型β-ラクタマーゼ(ESBLs)産生菌を鑑別するCLSIのディスク拡散法を改良し、SMAディスク法と組み合わせ、産生菌の鑑別を試みた、さらにその遺伝子型別も行い、比較検討した。その結果、この方法は、ESBLs産生菌やメタロ-β-ラクタマーゼ産生菌、クラスC型産生菌を区別することができた。それだけでなく、複数β-ラクタマーゼを産生する菌株も検出することが可能であることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Change in the prevalence of extended-spectrum-beta-lactamase-producing Esherichia coli2009

    • 著者名/発表者名
      Suzuki S, Shibata N, Yamane K, et al.
    • 雑誌名

      J Antimicrob Chemother 63

      ページ: 72-79

    • 査読あり
  • [雑誌論文] First molecular characterization of group B streptcocci with reduced penicillin susceptibilit2008

    • 著者名/発表者名
      Kimura K, Suzuki S, Shibata N, et al.
    • 雑誌名

      Antimicrob agents Chemother 52

      ページ: 2890-2897

    • 査読あり
  • [雑誌論文] カルバペネム耐性菌の検出法2008

    • 著者名/発表者名
      柴田尚宏
    • 雑誌名

      医歯薬出版株式会社 36

      ページ: 1261-1268

  • [学会発表] 耐性菌 up date-進化するβ-ラクタマーゼ、最新知見と臨床的インパクト2008

    • 著者名/発表者名
      柴田尚宏
    • 学会等名
      第82回日本感染症学会総会
    • 発表場所
      さんらぼー島根
    • 年月日
      2008-04-03

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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