研究課題/領域番号 |
19590584
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
平林 公男 信州大学, 繊維学部, 教授 (20222250)
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研究分担者 |
風間 ふたば 山梨大学, 医学工学総合研究部, 凖教授 (00115320)
山本 雅道 信州大学, 山岳科学総合研究所, 助教 (40143995)
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キーワード | 高度処理水 / 防除 / 超音波 / ユスリカ幼虫 / 電気刺激 / 死亡率 / 水環境 / 衛生 |
研究概要 |
高度下水処理水貯水槽内において大量発生するユスリカ類の防除法確立のために、本研究では、人為的に管理された環境下にある比較的清澄な水環境において、これまで報告のない「超音波」を利用した局所的な物理防除が可能であるかどうかを検証し、電気刺激との比較検討を行い、その防除効果について明らかにすることを目的とした。【実験方法】実験条件として(1)超音波45KHz、30秒、(2)交流190Hz、260V、0.54A、30秒、(3)直流180V、0.32A、30秒の3シリーズで検討した。試水はユスリカ幼虫を採集した下水処理排水(EC;約70mS/m)を用いた。幼虫の生死判定は、刺激を与えた直後にガラスビーズ(粒径0.4mm)を入れた減菌シャーレに移して行った。このシャーレをコントロールと共に暗条件で静置し、24時間後に幼虫の造巣行動により判定した。【結果・考察】超音波では85.1%(67匹中57匹)、電気では交流で65.3%(26匹中17匹)、直流で62.5%(32匹中20匹)の幼虫が死亡し、超音波も電気刺激同様にユスリカ幼虫の物理的防除対策の一つに応用可能であることが示唆された。「超音波」を利用した物理的防除に関する研究は、我が国はもとより、国際的にも全く報告例がない。超音波はガラス器具などの洗浄用として水中で汎用されているが(根岸,1984)、防除法の一手段としての発想は皆無である。次年度は、超音波の周波数を変えるなど、様々な実験条件を設定し詳細なデータを集めていきたい。
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