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2008 年度 実績報告書

下水高度処理水貯槽内におけるユスリカ類の防除方法確立のための基礎実験

研究課題

研究課題/領域番号 19590584
研究機関信州大学

研究代表者

平林 公男  信州大学, 繊維学部, 教授 (20222250)

研究分担者 山本 雅道  信州大学, 山岳科学総合研究所, 助教 (40143995)
キーワード超音波 / 防除 / ユスリカ類 / 下水処理排水 / 生物防除 / 物理防除
研究概要

高度下水処理水貯水槽内において大量発生するユスリカ類の防除法確立のために、各種「電気刺激」、3波長の「超音波」を利用したユスリカ類の卵塊への影響を検討した。まず卵塊中に含まれる卵数を測定し、卵塊を複数の塊に分割して実験に供した。卵塊のステージをそろえることは安定した結果を得るために大変重要であった。行った実験結果は以下の通り、(1)超音波の強度と卵塊からの幼虫の孵化率に注目:「超音波刺激」でも「電気刺激」でも、「波長の違い」や「与える刺激時間の長さの違い」のどの組み合わせにおいても、卵塊からの幼虫孵化率は90%を超え、防除効果がほとんど認められなかった。このことより、卵塊の場合、時間をおいて孵化させてから若齢幼虫を防除対策とするか、卵塊そのものを魚類に捕食させるのか、の何れかの方法が有効ではないかと推測された。(2)応用のための予備実験として、中規模水槽を作成した。循環式の水槽の作成には、大変苦労をした。水槽内のユスリカ類幼虫の生息分布を確認したところ、ランダム、分散型の分布ではなく、集中分布であることが明らかとなった。水中において各種物理刺激を与えた場合に、効果的に防除を行うには、幼虫の分布のパターンを知っておくことが重要である。(3)魚類を利用した生物防除技術の確立:魚種としてはグッピー、カダヤシの両種を採用し、捕食効果を比較検討した。両種とも、個体数を長期間維持するためには定期的に一定量の個体の供給が必要であり、処理水槽内での自己繁殖はあまり期待できない。幼虫、蛹に対する捕食効果は大きく、特に蛹についての捕食効果は期待できると推測された。次年度は、この点について、さらなる観察とデータの蓄積が必要である。また、流水環境下での各種物理刺激の効果についても、これまでの結果の再現性の検証が必要である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 電気刺激がセスジユスリカ, Chironomus yoshimatsui, 幼虫に及ぼす影響2008

    • 著者名/発表者名
      武田昌昭, 平林公男
    • 雑誌名

      ペストロジー 23(2)

      ページ: 53-57

    • 査読あり
  • [学会発表] セスジユスリカ卵塊に対する物理的防除の試み2008

    • 著者名/発表者名
      平林公男・武田昌昭
    • 学会等名
      日本環境動物昆虫学会
    • 発表場所
      京都大学(京都)
    • 年月日
      20081116-20081117
  • [学会発表] 下水道処理排水中における水生生物の駆除・防除に関する研究1. 電気刺激がユスリカ類幼虫、蛹、卵塊に与える影響2008

    • 著者名/発表者名
      武田昌昭, 平林公男
    • 学会等名
      日本ペストロジー学会
    • 発表場所
      メルパルク大阪(大坂)
    • 年月日
      20081014-20081017
  • [学会発表] 下水道処理排水中におけるユスリカ類の駆除・防除に関する研究一物理的防除法の検討2008

    • 著者名/発表者名
      平林公男, 武田昌昭, ほか
    • 学会等名
      日本ユスリカ研究会
    • 発表場所
      楠石山荘(岡山児島湖)
    • 年月日
      20080524-20080525
  • [備考]

    • URL

      http://bs.shinshu-u.ac.jp/ecology/top.html

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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