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2008 年度 実績報告書

脳血管疾患予防医療確立のための家族性脳動静脈奇形の遺伝子解析

研究課題

研究課題/領域番号 19590586
研究機関鈴鹿医療科学大学

研究代表者

井上 純子  鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 准教授 (20378657)

キーワード遺伝子変異 / 海綿状血管腫 / KRIT1 / 脳動静脈奇形 / 脳血管疾患 / 疾病予防 / 遺伝疾患 / 連鎖解析
研究概要

家族性AVMは例数が少数の上、小家系が多く、通常のpositional cloningの方法による遺伝子同定が困難なため、昨年度までに家系内の連鎖解析に加えて、同地域のAVM孤発例についてmapping arrayを用いてSNPの症例対照比較による相関解析を行った。しかし両解析で共通の遺伝子座領域はほとんどなかった。さらに一人発症一人未発症の一卵性双生児二組で、SNPsにおける差異やmicrodeletionの有無について検証したが、いずれも認められなかった。疾病予防のための脳血管奇形の遺伝子解析として今年はAVMと同様に痙攣や脳出血の危険性のある海綿状血管腫(脳静脈奇形、CCM)と診断された1家系(母親、第一子、第二子)の遺伝子解析を行った。CCMにはCCM1, CCM2, CCM3の3種類の遺伝子座に連鎖する型が報告されているため、各遺伝子座(7q21-q22、7p13、3q26.1)で連鎖解析を行った。連鎖解析の結果、CCM2は否定されCCM1またはCCM3の可能性が残った。CCM1の責任遺伝子KRIT1はCCMの原因の多くを占めているとされる。そこで可能性の高いKRIT1について全coding regionと周辺のシークエンシングによる変異検索を行った。その結果エクソン16に1塩基(A)の挿入変異を検出し、これによってチロシン(TAT)がストップコドン(TAA)に変化して、タンパクはここで終止することが明らかになった(Y635X)。変異は患者3人に共通していた。変異の位置は主要ドメインにあり、KRIT1と他のタンパクとの作用に重要であると考えられるため、変異によるloss of functionが疾患の原因と示唆された。KRIT1タンパクの機能は未解明だが、細胞接着や細胞移動に役割を持ち、血管形成に関与していると推測されるため、脳AVMとの関係を今後追及したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 海綿状血管腫の遺伝子解析2009

    • 著者名/発表者名
      井上純子
    • 学会等名
      第79回日本衛生学会学術総会
    • 発表場所
      北里大学
    • 年月日
      2009-03-30

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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