研究課題/領域番号 |
19590592
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
日吉 孝子 静岡県立大学, 看護学部, 講師 (90405580)
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研究分担者 |
市瀬 孝道 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (50124334)
山元 昭二 独立行政法人国立環境研究所, 環境リスクセンター, 主任研究員 (40230552)
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キーワード | アスベスト / 肺線維症 / 感染実験 / マウス |
研究概要 |
平成19年度は、まず肺線維症による慢性呼吸障害の病態モデルとしてそれぞれのアスベスト肺のマウスを作製について検討した。ICRマウスに、アスベスト(クロシドライト、アモサイト)を気管内投与して、投与後より6ヶ月の飼育をしながら経時的に、マウス肺線維化に関する病理学的変化を中心に観察している(動物の飼育〜6月まで)。次に、モデル動物の胸部CTを用いた画像診断を行うために、SPFでの飼育環境下で肺線維症マウスの病態について検討した。実験群は、対照群、アスベスト群(0.4mg/mouse)とし、アスベストの投与から半年間飼育しながらマウス胸部CTの撮影を経時的に行った。CTの画像については、肺の専門家と共にこれから読影していく予定である。病理組織について、現在の状況では、青石綿0.4mg投与1ヶ月後の肺では気管支肺胞接合部や肺胞領域に石綿が散在し、小さな細い石綿はマクロファージに貪食されていた。大きな物は器質化によって肉芽組織内に取り込まれて、気管支付近ではポリープ状の肉芽形成が観察された。肺胞付近の肉芽組織内には異物反応としてランクハンス型巨細胞の出現が見られた。肺胞内には好中球の浸潤も見られるが、肥大化したマクロファージが数多く出現している。また石綿が散在する気管支粘膜上皮は粘液細胞化が強く見られた。さらに1ヶ月後の肺では肺胞内の好中球やマクロファージ数が1ヶ月時点よりも減少し、肺胞や気管支に見られた肉芽組織は線維化・瘢痕化し、退縮が見られた。石綿は退縮した瘢痕組織やマクロファージ内に見られたたが、肺内の線維数は投与1ヶ月後の肺より著しく減少し、気管支の粘液細胞化も減少傾向を示し、肺全体としては修復傾向を示していた。
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