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2007 年度 実績報告書

ミネラル・微量元素と透析患者の骨代謝・疾患発症・予後に関する大規模コホート研究

研究課題

研究課題/領域番号 19590597
研究機関岩手医科大学

研究代表者

板井 一好  岩手医科大学, 医学部, 准教授 (10048572)

研究分担者 坂田 清美  岩手医科大学, 医学部, 教授 (50225794)
中村 元行  岩手医科大学, 医学部, 教授 (40172449)
近田 龍一郎  岩手医科大学, 医学部, 准教授 (10225609)
大澤 正樹  岩手医科大学, 医学部, 講師 (60295970)
丹野 高三  岩手医科大学, 医学部, 助教 (20327026)
キーワード腎不全 / 血液透析 / 微量元素 / 血清
研究概要

【目的】腎機能は微量元素の生体内濃度維持に大きな役割を果たしている。人工血液透析を行っている末期腎不全患者の生体内微量元素濃度の動態については明らかでない。本研究において今年度は、血液透析患者と健常者の血清中微量元素濃度を測定して比較した。
【方法】対象者は測定の終了した血液透析患者291名と(男性179名、女性112名、平均年齢60.2±12.7歳)と健常人185名(男性94名、女性91名、59.8±10.7歳)である。血清中微量元素濃度の測定は、テフロン試験管に血清1ml分取し高純度硝酸3mlを加えて2時間室温で放置後、ブロックバスを用いて120℃で12時間加熱分解した。この間にブロックバスよりテフロン試験管を取り出して冷却し、これに高純度の過酸化水素水を1ml加える行程を随時2回行った。その後、テフロンジャーに移し変えて、100℃のホットプレート上で蒸発乾固させ、10%の硝酸溶液5mlに溶解させて測定用試料溶液とした。試料溶液中微量元素濃度(Zn、Cu、Se、Li、B、Mn、Mo、Sr)をICP-MSを用いて測定した。患者群と健常群でそれぞれ平均値を算出し、2群間の比較にはt検定を用いた。
【結果】各元素の測定結果(平均年齢±標準偏差、μg/1)は、患者群と対照群の順で、Zn:723±164;942±143、Cu:811±199;983±233、Se:99.7±23.7;128.3±20.3、Li:482±92;0.60±1.21、B:132±53;19.3±8.5、Mn:1.10±1.50;0.62±0.60、Mo:14.6±7.5;1.39±0.76、Sr:39.6±10.7;32.2±11.2であった。Zn、Cu、Seで患者群が対照群よりも有意に低値を示し(p<0.001)、Li、B、Mn、Mo、Srで患者群が対照群よりも有意に高値を示した(p<0.001)。
【結論】測定した全ての血清中微量元素濃度が患者群と対照群で異なり、患者群で低値を示す元素と高値を示す元素が判明した。人工血液透析は生体内微量元素出納に関して、腎機能の代替が不充分である可能性が示唆された。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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