研究課題
1. 脂肪細胞株を用いた解析脂肪細胞での解析のためにマウス白色脂肪細胞株HW細胞および褐色脂肪細胞株HB2細胞を用いた。ErbBファミリーは現在ErbB1〜4の4種類が知られているが、HW細胞およびHB2細胞においてErbB1〜4のすべての発現が確認され、それらの発現量は脂肪前駆細胞から成熟脂肪細胞への分化に伴ってそれぞれ変化することもわかった。これらの中でErbB1およびErbB2の機能解析を重点的に行った。経口糖尿病薬・グリクラジドおよび茶カテキンは、EGFによるErbB1のリン酸化を抑制し、分化を促進することがわかった。さらにグリクラジドは成熟脂肪細胞の核抽出物におけるペルお期しゾーム増殖剤応答性受容体γ(PPARγ)のDNA結合能を低下させ、転写活性にも作用することを明らかにした。2. 脂肪幹細胞を用いた解析脂肪細胞は骨髄間質細胞から分化することが知られている。そこで、まずSprague-Dawleyラットの骨髄から骨髄間質細胞を採取し、その初代培養系を確立した。さらに脂肪組織由来幹細胞(adipose tissue-derived stem cell:ADSC)を用いて脂肪細胞への分化過程における遺伝子発現の解析をした。その結果、運動トレーニングによりADSCの脂肪細胞への分化を抑制し、血管内皮細胞への分化を促進させることを明らかにした。これにより、脂肪組織あたりの脂肪細胞数の減少と血管内皮細胞数の増加を引き起こすことが示唆された。以上のことより、脂肪細胞におけるEGF-ErbB系を制御することによってメタボリックシンドロームの予防・治療に寄与することが示唆された。
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Adv. Exerc. Sports Physiol. (in press)
Adv. Exerc. Sports Physiol. 13
ページ: 93-99