研究課題/領域番号 |
19590602
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
李 卿 日本医科大学, 医学部, 講師 (50250048)
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研究分担者 |
川田 智之 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00224791)
石崎 正通 日本医科大学, 医学部, 准教授 (40096954)
稲垣 弘文 日本医科大学, 医学部, 講師 (50213111)
平田 幸代 日本医科大学, 医学部, 助教 (40322515)
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キーワード | 有機リン農薬 / アポトーシス / ナチュラル・キラー細胞 / DDVP / Chlorpyrifos / 免疫細胞 |
研究概要 |
【目的】本研究は、有機リン農薬によるNK細胞のアポトーシスを検討して有機リン農薬によるNK活性低下の新しい機序を解明することを目的とした。 【材料と方法】 1.有機リン農薬:Dimethyl2,2-dichlorovinyl phosphate(DDVP:Dichlorvos)とChlorpyrifosを用いた。 2.ヒトNK細胞:NK細胞株NK92CIとNK92MIを用いてDDVP及びChlorpyrifosによるアポトーシスを検討した。 3.細胞の処理:1.56〜100ppmのDDVPまたはChlorpyrifosを用いてin vitroでNK92CIまたはNK92MIをそれぞれ1〜72時間処理した後、経時的に以下の方法でDDVP及びChlorpyrifosによるアポトーシスを測定した。 4.アポトーシスの測定:FITC-Annexin Vを用いて有機リン農薬によるNK細胞の早期アポトーシスを測定した。 【結果と考察】 1. DDVP及びChlorpyrifosはいずれも用量依存的・処理時間依存的にNK92CI及びNK92MIのアポトーシスを誘導することが明らかとなった。 2. 25ppm以上の濃度ではChlorpyrifosがDDVPより早くNK92CIのアポトーシスを誘導するが、一方で、12.5〜1.56ppmの低濃度域においてはDDVPがChlorpyrifosより強くアポトーシスを誘導することが明らかとなった。その違いは不明であるが、それぞれの毒性及び水溶性の違いと関連があるかもしれない。 3. DDVPとChlorpyrifosに対する反応性においてNK92CIはNK92MIより感受性が高いことが判明した。これはDDVPによるNK92CI活性抑制がDDVPによるNK92MI活性抑制より強いことと関連があると示唆された。今後、有機リン農薬によるNK細胞のアポトーシスとそれによるNK活性抑制との関連性を探究していきたい。
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