研究概要 |
当該年度は、乳幼児期におけるグラム陽性菌性の微生物経気道刺激(又は感染)が成長後のTh1型応答の発達やアレルギー抑制へと導くかどうかを明らかにするために、離乳直後(3〜4週齢)のBALB/c系雄マウスに黄色ブドウ球菌由来のペプチドグリカン、(PGN)4μg/50μlを3日おきに計5回点鼻投与(対照群は生理食塩水を投与)すると共に、アレルギー誘発(Th2側に偏向したマウスの作製)のため、これらのマウスに6週齢時より卵白アルブミン(OVA)をアジュバントである水酸化アルミニウムゲルと共に2週間おきに2回または4回腹腔内投与した。そして、マウス成長後(8,12週齢時)の血中総IgE,IgG1,IgG2a抗体産生量や肺および脾臓でのTh1系サイトカイン(IL-12,IFN-γ)・Th2系サイトカイン(IL-4,IL-5)の産生量、肺でのToll様受容体TLR2,TLR4の遺伝子発現レベル等を測定し、グラム陽性菌性の経気道刺激によるTh1型応答の発達やアレルギーの抑制作用の有無について解析した。なお、次年度以降の研究遂行のため生菌(BCGワクチン)を用いての予備的検討も行った。マウス12週齢時において、OVA処置マウスでは血中総IgE,IgG1抗体や脾臓IL-4,IL-5産生量の有意な増加が見られ、Th2系反応の亢進が示唆された。一方、幼若期におけるPGN刺激は、肺でのTLR2の発現を高めたが、OVA処置マウスにおいてTh1機能の発達やアレルギー抑制へとは導かなかった。予備的に行ったBCGワクチンの皮下接種では、OVA処置マウスにおいてTh1反応(血中IgG2a,肺や脾臓のIFN-γ)を高める結果が示され、経気道刺激とは異なるがBCGワクチン接種がTh1反応の亢進に有用であることが確認できた。
|