研究課題/領域番号 |
19590613
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
石井 孝司 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (40280763)
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研究分担者 |
武田 直和 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 室長 (90132894)
李 天成 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (90370957)
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キーワード | E型肝炎 / E型肝炎ウイルス(HEV) / クローニング / cDNA / 感染性クローン / レプリコン / 阻害剤 / スクリーニング |
研究概要 |
昨年度は、培養細胞系で増殖することができるHEVクローンの取得を試みた。ヒトおよびブタの糞便材料、ブタの肝臓から乳剤を作ってヒト肝臓由来培養細胞に接種し、長期間培養を行なった。経時的に培養上清を回収し、ELISA法を用いて培養上清中のHEV粒子量を測定したところ、感染後1ヶ月程度から抗原量の上昇が見られるサンプルを見出した。本クローンは培養細胞系で増殖性があると考えられる。RT-PCR法を用いて本クローンのcDNAをクローニングし、接続して全長クローンを作成した。定量PCR装置を用いた高感度HEV RNA測定系の確立にも成功した。本クローンよりRNAを合成し、培養細胞に導入して上記の測定系を用いて感染性かどうかの確認を行なっている。同時に感染細胞の培養上清および合成RNAをカニクイザルに接種し、本クローンの動物モデルへの感染性の検討も行っている。クローンの感染性が確認できれば、reverse geneticsの手法を用いてHEVの増殖に重要な領域を調べることが可能になる。また、全長クローンの構造蛋白をコードする領域を薬剤耐性遺伝子に置換したレプリコンを作成し、RNAを合成して培養細胞に導入し、薬剤耐性細胞が得られるかどうか確認している。レプリコン細胞を樹立することができれば、HEV増殖阻害剤のスクリーニングを本細胞を用いて行なうことができ、簡便に阻害剤のスクリーニングが行なえると考えられる。
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