研究課題/領域番号 |
19590618
|
研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(大阪医療センター臨床研究部) |
研究代表者 |
牧江 俊雄 国立病院機構大阪医療センター, 臨床研究部, その他 (80435891)
|
研究分担者 |
中村 剛 長崎大学, 環境科学部, 教授 (80039586)
|
キーワード | HIV感染症 / 細胞性免疫能力 / CD4陽性Tリンパ球 / 環境条件 / 至適環境 / 予測可能性 / 治療導入 |
研究概要 |
大阪医療センター・AIDSセンターにおける過去8年間の検査データを基に、主に、治療導入前のHIV感染患者の細胞性免疫状態についての研究を行った。平成19年度は、HIV感染者の細胞性免疫能力の指標となるCD4陽性Tリンパ球およびウイルス量と他の検査データとの関係について探索的に解析を行った。その第一報は第21回日本エイズ学会にて報告している。以下に、1.その研究の手順、2.次年度研究の基礎を築いた成果を示す。 1.CD4リンパ球とウイルス量の季節変動についての研究手順 (1)検査データを項目別に時系列毎に整理した。 (2)免疫状態の指標となるCD4陽性Tリンパ球およびウイルス量との間の関係性について分析した。 (3)平成19年度は、特に、月別の変動に注目し、寒暖や湿度といった環境条件が与える影響について解析した。 この解析により、紫外線が強く、温度上昇する初夏に細胞性免疫機能が低下し、温暖かつ夜が長くなる秋に比較的維持されやすいことが分かった。また、いくつかの環境条件において至適環境が存在することも確認できた。この知見は、さらなる発展が見込めると考える。 2.その他、次年度の研究への基礎を築いた成果。 (1)1.の研究を踏まえて、CD4数を他の検査データを用いて予測することの可能性を予備解析の結果から得た。この知見は、現在は半日以上かかるCD4数の検査結果を補う大きな成果が期待できる。 (2)1.において整理したデータは、いくつかの症例報告や薬物動態の研究を導いた。これらの研究は、既に雑誌掲載の成果をあげるとともに、さらなる発展が期待できる。
|