研究課題/領域番号 |
19590629
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大平 哲也 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50448031)
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研究分担者 |
磯 博康 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50223053)
谷川 武 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80227214)
今野 弘規 (財)大阪府保健医療財団大阪府立健康科学センター, 健康開発部, 主幹兼医長 (90450923)
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キーワード | 自覚的ストレス / うつ症状 / 楽観的思考 / 社会的支援 / 生活習慣 / メタボリックシンドローム / 糖尿病 / 疫学研究 |
研究概要 |
2001〜02年に大阪府立健康科学センターの健康度測定コースを受診した男女7,947人(平均年齢52.4歳)を対象に、食事、運動、睡眠、飲酒、喫煙等の生活習慣を調査し、自覚的ストレスおよびうつ症状との関連について男女別に多重ロジスティック分析により検討した結果、男女ともに自覚的ストレス、うつ症状との関連がみられたものは、「身体活動量がかなり少ない」「運動習慣がない」「睡眠時間が少ない」「朝食を抜くことがよくある」「夕食後1〜2時間以内に床につく」ことであった。また、男性では「間食または夜食をほぼ毎日とる」「お腹いっぱい食べる」ことが、自覚的ストレスの多変量調整オッズ比の上昇と、「運動習慣がある」「野菜類を毎食食べる」ことがうつ症状オッズ比の低下と関連した。女性では、「漬け物やおかずにしょうゆやソースをかけることが多い」ことが自覚的ストレスのオッズ比の上昇と、「大豆製品を毎日食べる」ことがオッズ比の低下と関連し、「煮物の味付けが濃い」ことがうつ症状のオッズ比の上昇と関連した。一方、自覚的ストレス、うつ症状と高感度CRP、高血圧等との関連はみられなかった。また、2007年までに再度検査を実施しえた者を対象として、心理的因子とメタボリックシンドロームの構成因子との関連を縦断的に検討した結果、楽観的思考を有する者は将来的に糖尿病出現リスクが高く、社会的支援を有するものは糖尿病出現リスクが低かった。以上の結果より、男女ともに自覚的ストレス、うつ症状等の心理的因子は身体活動量が少ない、睡眠時間が少ない、朝食を抜く等の生活習慣と関連し、さらに縦断的にはメタボリックシンドロームの構成因子の出現と関連することが示唆された。したがって自覚的ストレス、うつ症状等の心理的因子をコントロールすることは生活習慣、メタボリックシンドロームの構成因子を介して循環器疾患発症のリスクを減らす可能性がある。
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