研究課題
本年度は、自覚症状・不定愁訴、健康状態・健康意識、生活行動、地域環境に関する内容を含んだ生徒版半健康調査票を作成した。本調査票について、予備調査を行い、全体的項目構成の妥当性等について検討を加え、子ども版半健康調査票(最終版)を完成させた。本調査として、中学期・高校期の子どもを対象とした標本調査を実施した。母集団は中学生・高校生とし、現実的条件を加味した上で、3段抽出法を適用し調査サンプルを無作為抽出した。本調査データの精査後、分析対象データに対して主成分分析法を施した。固有値・寄与率等を基準に、抽出主成分をそれぞれ第4主成分までとし、主に相互の構成空間構造の類似性の側面から検討を加えた。さらに、各空間構成尺度に基づき半健康の構造特性について解釈を試みた。それぞれの第1主成分は半健康状態を量的に評価可能な総合指標と解釈できることが示唆された。以下、第2主成分は半健康状態を身体的側面と精神的側面から把握可能な指標、第3主成分は半健康状態の症状的軽重を識別可能な指標、第4主成分は半健康状態を内科的か否かに識別可能な指標と解釈できることが示唆された。また、半健康状態の構造特性は、年齢等属性的要因と独立的関係性を有することも示唆された。今後、詳細な分析を施しながら、半健康様相を基盤とした包括的健康管理システムについて検討を加える。本指数を駆使することにより、生徒の現代的な健康問題を半健康的視点から考察できるとともに、包括的健康管理システムに組込むことにより、多角的な解決策を学校保健学的視点から検討できるものと考える。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Journal of Environmental Information Science Vol. 37, No. 5
ページ: 197-202