研究計画に記載したとおりに以下のように研究をすすめている。対象となるのは愛媛大学附属病院抗加齢センターにおける抗加齢ドックを受けた受診者である。平成19年度中に約300名の受診者があり90%で研究の同意を得た。 (1)大腿筋肉量の測定抗加齢ドック時にGE社製24列CTを用いて大腿近位1/3の部分にマーキングし、この部位の断層撮影を行う。筋肉のCT値を標準化したのち全例に同じ条件で施行する。 (2)骨密度量の測定抗加齢センターに所有するエルク社製超音波骨密度測定装置CM-100を用いる測定部位は踵骨で中心周波数500kHzの超音波パルス透過法を用いて骨内伝播速度を測定するもので測定時間は約10秒であり検診に一次スクリーニングに最適な機器である。 (3)重心動揺検査愛媛大学附属病院臨床検査室に所有するアニマ社製重心動揺計「システムグラビコーダ」を用いて行う。重心動揺検査は、直立時の足圧中心の動きから身体動揺を客観的、数量的に捉える検査で動揺の程度、性質、方向等を測定する。これにより開・閉眼直立の差を調べ、平衡機能の総合判定に利用されている。標準的検査法は日本平衡神経科学会により定められた方法で行う。 現在までにメタボリックシンドロームを有する場合に転倒をおこしやすいことを示唆するデータが得られている。今後症例をふやしてこれらの検証をすすめていく予定である。
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