本年度は、昨年度(平成20年1月1日から開始)から引き続いて、佐世保市歯科医師会員が経営する131の歯科診療所、および2つの市内の病院歯科にて、口腔外傷発生動向調査を行った。本調査の対象者は、協力歯科医院や病院歯科に対して、口腔の外傷を主病名として受診した未就学児童とした。調査項巨の記載にあたっては、本人あるいは保護者に対して了承を得ることとし、当調査の実施方法については、長崎大学倫理審査委員会の承認を得た(承認番号:0739-2)。 口腔外傷発生動向調査の結果、総数93名の報告があった。受傷者の内訳については、3歳以下の児童の割合が59%であった。また、男児の割合は58%で、女児と比較して大きかった。受傷場所は、「自宅(屋内)」43%、「保育圏・幼稚園」30%であった。受傷状況については、「歯の脱臼」の割合が最も大きく56%、ついで「表在損傷」30%、「歯の破折」20%などであった。受傷部位については、左右の上顎乳切歯の受傷が最も大きかった。本調査の結果は、日本セーフプロモーション学会総会、日本公衆衛生学会総会、およびInternational Safe Commnunities Conferenceにて発表した。 本調査の結果、受傷場所として「自宅(屋内)」と「保育園・幼稚園」が多くあげられていたため、来年度は、「保育園・幼稚園」に勤務する保育士・教諭に対する外傷予防に関する講話、モデル園における事故予防対策などを、佐世保市と共同して企画している。
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