研究課題/領域番号 |
19590636
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
松坂 誠應 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (60190435)
|
研究分担者 |
井口 茂 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (70184778)
中原 和美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (00439572)
|
キーワード | 虚弱高齢者 / 運動機能向上 / 運動の習慣化 / 転倒予防 / 高齢者抑うつ度 / 主観的健康感 / ボランティア |
研究概要 |
【目的】高齢健康指導ボランティア(以下、高齢ボランティア)が関わった転倒予防体操教室の虚弱高齢者(介入群)と高齢ボランティアが関わらない教室の虚弱高齢者(対照群)を身体的・心理的・社会的に評価し比較するとともに、高齢ボランティアの身体的・心理的・社会的評価の経時的変化を検討し、虚弱高齢者の運動・心理機能向上に対する高齢ボランティアの効果と高齢ボランティア自身の変化を明らかにする。 【対象・方法】転倒リスク数(鈴木による転倒アセスメント)3個以上を有し認知症のない在宅高齢者210名(平均年齢78歳、女160名)を対象に週1回2時間の転倒予防運動プログラムを6ヶ月間行った。対照群では虚弱高齢者のみで実施し、介入群では高齢ボランティア参加のもとに実施した。評価項目は転倒アセスメント(鈴木)、体力評価、高齢者抑うつ度、QOL評価(SF36)であり、介入直前、介入後6ヶ月に評価し、2群で比較した。高齢ボランティアの評価は介入前後で行った。全ての評価が実施された対照群98例、介入群65例、高齢ボランティア70名で解析を行った。 【結果】初期評価では2群間に有意差はなく、SF36の値は同年代の全国調査標準値より低かった。6ヵ月後、介入群では転倒恐怖、高齢者抑うつ度、開眼片脚起立時間、SF36(活力)の有意な改善が見られ、SF36は全国調査標準値より高値となった。対照群では体力改善は見られたが、高齢者抑うつ度やSF36の有意な改善はなかった。高齢ボランティアでは体力(椅子起立時間)とSF36(活力)の有意な改善が見られた。 【結論】高齢ボランティアの参加は虚弱高齢者の身体的・心理的改善とQOL向上が起こすとともに、自らの体力維持改善、QOL向上に寄与することが示唆された。
|