研究概要 |
平成21年度は「岡崎研究」の体制の整備とデータ収集を続け,横断研究の準備と予備解析を行った岡崎市医師会公衆衛生センター(以下センター)の受診者のうち,岡崎市在住で35歳から79歳のものを研究の対象候補とし,研究の説明・案内と自記式の質問票を送付し,記入を依頼した.以下に示すベースライン体制を整備した.(1)人間ドック受診当日に研究の説明を行い,書面でインフォームドコンセントをとる.(2)記入済みの質問票をチェックし,不備があれば再記入を依頼する,(3)血液検体を遠心分離,分注し,センター内でインスリンを測定し,インスリン抵抗性の指標HOMA-Rを算出する.(4)質問票の内容をコンピュータ入力する,平成19年2月の研究開始から平成22年3月までに,約5,900名の研究協力者が得られ,全例から問診情報,ドック検査情報提供の同意を得て,使用可能な情報を全て入手した.全例についてコンピュータ入力が完了し,現在,データクリーニングを行っている.平成22年3月までのデータを使用して,以下の結果を得た,これらの題材については,学会誌に投稿予定である。(1) HOMA-Rは,男女とも脂肪肝の独立した関連要因であるが,他の情報があるときに脂肪肝診断に対するインパクトは小さい.現時点では,メタボリックシンドローム(MetS)診断の目的でマススクリーニングにHOMA-Rを用いる意義は大きくない。(2)BMIより腹囲のほうがMetSと強く関連しているというエビデンスは得られず,腹囲をMetS診断に積極的に使用することをサポートする結果は得られず,腹囲を使用するにせよ,BMIも同時に基準として使用する必要があると考えられた.
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