研究概要 |
医薬品ならびに健康食品の有用性評価のためのメタアナリシス間接比較法の確立と評価、ならびに臨床応用への可能性を検討するために、本年度は下記の検討を行った。 初年度は、薬物治療に関するテーマについて検討を行い、まず血液凝固阻止剤の臨床的有用性を検討することにした。文献検索データベースには、Medline,JDreamII、Cochrane Library,医学中央雑誌を用い、国内外の臨床試験論文の検索を行った。また、それぞれの製薬企業からも臨床試験情報を入手した。検索結果では、血液凝固阻止剤の臨床的有用性に関する複数のプラセボ対照試験や直接比較の論文が得られた。これらの論文に関して対象疾患・患者、有効性と安全性に関するエンドポイント、採択基準の決定とその適否、論文の質を評価し、解析に必要データを検討し、統合可能な論文を検討した。 また、メタアナリシス間接比較法の種類を調査し、解析手法の検討並びに解析ソフトウェア開発の検討を行った。調査結果では、メタアナリシス間接比較法の種類として、Fixed effect adjusted indirect comparison, Random effect adjusted indirect comparison, Random effects meta-regression, Naive methodなど複数の解析手法があった。それらの中で、まずadjusted indirect comparisonについて検討を行うこととした。 さらに、ソフトウェアの開発を行うために、第1段階として、直接比較法の部分を構築することとし、専門家と協議し、開発に必要なハードウェア・ミドルウェアを選定した。 次年度以降も、本研究を継続し、発展させ、メタアナリシス間接比較法の確立を目指す。
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