医薬品ならびに健康食品の有用性評価のためのメタアナリシス間接比較法の確立と評価、ならびに臨床応用への可能性を検討するために、下記の検討を行った。 医薬品の検討例として、血液凝固阻止剤の臨床的有用性(有効性と安全性)に関する論文検索はMedline等を用いて、placebo対照ならびに実薬対照の論文などさまざまな比較論文を収集した。試験薬の具体例としては、低分子量ヘパリンのfondaparinux、enoxaparin、nadroparinなどがあり、実薬対照としては、未分画ヘパリンであった。対象患者は、主に人工膝関節置換術、人工股関節置換手術の患者が含まれた。有効性の評価項目としては、血栓性塞栓症(深部塞栓症、肺塞栓症)、死亡などであり、安全性の評価項目としては、出血(大出血、小出血)などを抽出した。これらのデータを解析に使用するために要約を行った。まず、直接比較を行い、それらの結果を用いて間接比較をする予定である。また、健康食品の検討例としては、St.John's Wortの有用性について、Medline等を用いて血液凝固阻止剤と同様に文献検索を行った。論文としては、placebo対照ならびに実薬対照の論文などが種々あり、検索結果を吟味して、解析に使用できる論文ならびに解析実行の可否について今後検討する。 さらに、間接比較の方法論に関する理論についてもる詳細に調査を行い、方法論に関する知識を得ることができた。これらの方法は次のプログラム作成に有用な情報となるものと考えられる。 メタアナリシス解析プログラムの作成に関しては、専門家と共同で直接比較に関して、2値データについて計算過程の部分は、ほぼ完成した。しかし、画面上での表現については未完成であり、今後検討する。さらに、間接比較の部分についても今後引き続き検討して行く予定である。
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