研究課題/領域番号 |
19590652
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
長谷川 友紀 東邦大学, 医学部, 教授 (10198723)
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研究分担者 |
長谷川 敏彦 日本医科大学, 医学部, 教授 (80164820)
松本 邦愛 東邦大学, 医学部, 助教 (50288023)
城川 美佳 東邦大学, 医学部, 助教 (10177785)
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キーワード | 医療・福祉 / 社会医学 / 医療情報学 / 電子カルテ |
研究概要 |
各国のIT技術活用状況や医療の質・効率性に対する影響に関して文献サーベイを行うとともに、電子カルテ導入病院(621病院)、およびオーダリング・システム導入病院(1,594病院)へのアンケート調査を実施した。さらに、医療施設静態調査、患者調査を用いた実証分析を行い、電子カルテ導入が医療の効率性にもたらす影響を定量的に明らかにした。 アンケート調査は、先行研究として平成15年度、平成17年度に全日本病院協会を中心として行われたアンケート調査の項目にしたがってアンケート用紙を作成し、全国のIT技術(電子カルテ・オーダリングシステム)導入病院全てに配布した。アンケートは自記式で、メディカルITリンクのWEBから電子カルテ・オーダリングシステム導入病院(1,616病院)に郵送でアンケート票を送り、328病院から回答を得た(回答率20.3%)。内訳は、電子カルテのみの病院7件、オーダリング・システムのみの病院190件、両方131件であった。アンケートの結果、予想された通り、IT技術を導入している病院規模が大きく、また7割強が2009年までにはDPCを導入する(予定を含む)ことが明らかとなった。 計量分析は、平成17年度医療施設調査並びに患者調査を用いて、同一疾患同一手術における平均在院日数を効率性の尺度とし、カプランマイヤー法、Cox比例ハザードモデルなどを使った分析を行った。カプランマイヤー曲線を使った単純な比較では、手術件数の多い上位15疾患・手術のうち8疾患・手術で電子カルテ導入病院と非導入病院間に有意な差が認められ、Cox比例ハザードモデルを用いた分析では、4疾患・手術で有意な差が認められた。IT技術が医療の効率にもたらす影響について、このように実証分析で明らかにした研究は国内外でもほとんどなく、本研究の意義は大きい。
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