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2007 年度 実績報告書

女性における動脈硬化性疾患予防の観点から見た適正飲酒に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19590656
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

若林 一郎  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70220829)

研究分担者 丸茂 幹雄  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40333950)
高橋 裕二  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20292443)
キーワード保健栄養 / 動脈硬化 / 飲酒 / 女性
研究概要

【目的】女性における飲酒と動脈硬化のリスク要因との関係について検討した。【方法】職場での定期健診受診者(20〜39歳の健常男女計7887人)のデータを用いた。一日あたりの平均飲酒量により、対象者を非飲酒群、少量飲酒群(一日当たり15g未満)、多量飲酒群(一日当たり15g以上)の3群に分類した。血圧、血中脂質(総コレステロール、HDLコレステロール、動脈硬化指数)、BMIなどの動脈硬化リスク要因と飲酒との関連性について年齢、喫煙歴などを調整して検討した。動脈硬化指数は総コレステロールとHDLコレステロールの差をHDLコレステロールで除して算出した。【成績】対象者全体では収縮期および拡張期血圧にはいずれも非飲酒、少量飲酒、多量飲酒の3群間で有意な差はなかった。一方、少量および多量飲酒群では非飲酒群に比べて総コレステロールと動脈硬化指数は有意に低く、HDLコレステロールは有意に高かった。動脈硬化指数により対象者を3分位に分類すると、動脈硬化指数の最低3分位群では収縮期および拡張期血圧は多量飲酒群において非飲酒群に比べて有意に高かったが、動脈硬化指数の最高3分位群では収縮期および拡張期血圧には非飲酒、少量飲酒、多量飲酒の3群間で有意な差はなかった。動脈硬化指数の最高3分位群では、中間および最低3分位群に比べて収縮期および拡張期血圧は有意に高く、この傾向は非飲酒、少量飲酒、多量飲酒のいずれの群でもみられた。【結語】女性において飲酒による血圧上昇作用は動脈硬化指数と関連し、動脈硬化指数が低い群においてのみ飲酒による昇圧作用が観察された。飲酒により動脈硬化指数が低下することから、飲酒に対する感受性が高い女性においてのみ飲酒により血圧が上昇すると考えられる。このように動脈硬化予防の見地から女性おける飲酒の是非には飲酒に対する感受性を十分に考慮する必要があることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Blood HDL cholesterol levels influence association of alcohol intake with blood pressure in young men but not in middle-aged men2008

    • 著者名/発表者名
      Wakabayashi I.
    • 雑誌名

      Alcohol Clin Exp Res 31

      ページ: 1552-1557

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Relationships among alcohol drinking,blood pressure and serum cholesterol in healthy voune women2008

    • 著者名/発表者名
      Wakabayashi I.
    • 雑誌名

      Clin Chim Acta 388

      ページ: 192-195

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Association of alcohol drinking and cigarette smoking with serum lipgd levels in healthy middle-aged men2008

    • 著者名/発表者名
      Wakabayashi I.
    • 雑誌名

      Alcohol Alcohol (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 飲酒習慣と動脈硬化2007

    • 著者名/発表者名
      若林一郎
    • 学会等名
      第3回西日本血管・機能研究会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2007-08-11

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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