研究課題/領域番号 |
19590657
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
守山 正樹 福岡大学, 医学部, 教授 (10145229)
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研究分担者 |
牛島 佳代 福岡大学, 医学部, 講師 (10336191)
永幡 幸司 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (50312765)
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キーワード | 対話型調査法 / 生活の想起 / 触覚と触知 / 視覚障害者 / 盲ろう者 |
研究概要 |
触知実体マップ法が対象者の生活認識をどう支援するかを確認し、まとめと実用化を進めた。 1.触知実体マップ法から得られた障がいを持つ対象者の認識を活用する方法の提案と実施 1)障がい者の買い物行動から学ぶ;福岡と東京に居住するロービジョン者8名から得られた生活に関する発言を元に、障がい者の生活認識を事例的に学習できるよう、発言を特徴化し、対話記録を作成した。また生活行動の中でも特に買い物行動を取り上げ、買い物行動時の障がい者の認識を、晴眼者も共感/共有できるように、触知実体マップのバリアフリー化を進めた。 2)触知実体マップ法から得られた対象者の発言に基づく方法の継続的改良の試み;本研究で得たロービジョン者と晴眼者の発言記録から、どのような触知実体が生活の想起に役立つかを分析し、多様な場面に適用できる方法の実用化を検討した。触知実体を、生活の中で接する道具を中心に組み立てると、生活の細部への考察が深まる。一方、触知実体を「味」「香り」「賞味期限」など、感覚から概念にまで拡張して用いると、生活に関する視野が拡大し、生活の中での発見が増えることが、事例的に示された。 3)触知実体マップを用いた環境認識のワークショップ実施;2010年3月21日に福岡市において、H町の福祉関係者を対象に、触覚を用いたワークショップを行った。また同年8月2日に福島市において、触覚から音環境を考えるワークショップ「夏休み音環境教室」を実施した。これらのワークショップを通して、触知実体マップ法の実用化を進めた。 3.触知実体マップ法を用いた震災体験の把握 2011年3月に福島でロービジョン者を対象に最後のワークショップを企画したが、3.11東日本大震災により中止に至った。しかし事前の検討からこの方法がロービジョン者の危機管理にも役立つ可能性が見え始めており、次の研究として計画中である。
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