規制薬物の摂取を証明するために、体内に比較的長い時間滞留する毛髪を検査試料とした。毛髪中の覚せい剤を誘導体化したのち、固相に吸着・濃縮する方法により検出感度を高め、覚せい剤(メタンフェタミンとアンフェタミン)の検出下限はそれぞれ、20pgおよび50pgとなった。覚せい剤摂取者の毛髪1cm、1本から充分検出可能となり、頭髪や陰毛等の蓄積状態を検査することにより、概ね摂取時期を反映できた。微量の試料を検査することから、被験者の身体的苦痛を軽減し、複数回検査することにより信頼度を高めることが可能となった。
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