研究課題/領域番号 |
19590676
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
津田 亮一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (20098875)
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研究分担者 |
中園 一郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30108287)
池松 和哉 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80332857)
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キーワード | 社会医学 / 細胞・組織 / 皮膚損傷 / 受傷時期 / 遺伝子 / Real-Time PCR / c-fos / CD14 |
研究概要 |
【はじめに】損傷の受傷時期の推定は、法医実務において重要かつ必須な検査事項の1つである。現在、ヘモジデリンの有無を調べる鉄染色による組織学的検査が汎用されているが、推定可能な受傷時期は1週間前後と極めて限定されており、より詳細な受傷時期を推定するための新規マーカーの開発は必須であり、本研究を企図した。 【実験材料・方法】8週齢BALB/cマウスに麻酔下で背部に4 mmの打ち抜き損傷を作製し、0分、15分、30分、60分、90分、3時間、6時間、12時間、18時間、24時間、2日、3日、4日、5日、6日、7日、9日、11日、13日、15日、21日と経時的に損傷周辺皮膚を採取した。その皮膚片からtotal RNAを抽出し、逆転写反応後、Real-Time PCR 法によって各遺伝子発現量の相対定量を行った。内因性リファレンス遺伝子については数個のハウスキーピング遺伝子を検討した結果、各試料間の発現量の差が最も少なかった 18SrRNAを内因性リファレンス遺伝子とした。 【結果と考察】c-fos、fos B及び mitogen-activated protein kinase phosphatase 1(MKP-1)のmRNA発現量は、受傷後1時間以内にピークに達し、3時間において対照群レベルまで減少した。CD14及びCcl9の mRNA発現量は、受傷後12〜24時間でピークに達し、以降減少傾向が認められた。またMast cell proteas-5(Mcpt5)のmRNA発現量は、受傷後5日にピークが観察された。これらの結果より、損傷皮膚における各遺伝子の発現ピークの時期は異なり、各遺伝子発現量を比較検討することにより、正確な受傷時期推定が可能であることが示唆された。
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