研究概要 |
東海大学医学部基盤診療医学系法医学教室で施行した、法医解剖例のなかで、浴槽内で急死していた解剖例で、比較的死後変化の進行していない例について、全例通常通りの各臓器の組織標本作製、血中エタノール濃度測定、薬物検査に加えて、心臓の左心房から肺静脈に移行する部分(4箇所をリング状に4-5mm 間隔で切り出す)、刺激伝導系(洞房結節、房室結節)について切り出しを行い、HE,標本、アミロイド染色(コンゴーレッド染色)、EVG染色を行った。これに対するコントロール症例としては、心臓疾患を有さない、法医剖検例で、60歳以上の高齢者、心臓疾患を有する高齢者の剖検例について、通常の通りの各臓器の切り出しに加え、上記と同様の切り出しを行った。 現在も、症例の収集、切り出し、標本作製を行っている。現在まで、浴槽内急死例は25例が集められており、全例について、切り出しおよび染色が終了している。コントロール症例は42例が切り出し、標本作成が全了している。現在、浴槽内急死例については、各例の病歴、疾病所見、血中エタノール濃度、薬物検査の結果を表にまとめ、各標本を鏡見し、アミロイドの沈着、線維化について、グレード判定を行っている。また、コントロール症例についても、年齢、心臓疾患の病歴の有無に分類、表を作成し、作成した標本の鏡検を行い、アミロイド沈着、線維化入浴中急死例と比較検討していく予定である。今後、結果をまとめ、考察し、国内外の法医学会にて成果発表を行う予定である。
|