• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

一酸化炭素中毒による脳内活性酸素生成機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19590681
研究機関東京医科大学

研究代表者

原 修一  東京医科大学, 医学部, 講師 (70208651)

キーワード一酸化炭素 / 活性酸素 / ヒドロキシルラジカル / アスコルビン酸 / 鉄 / ラット / 線条体
研究概要

一酸化炭素(CO)中毒では、脳において活性酸素の中で最も毒性の強いヒドロキシルラジカル(・OH)の生成が促進される。本年度は、この・OH生成促進における内因性アスコルビン酸(AA)および鉄の役割についてSprague-Dawley系雄性ラットを用いて検討し、次のような結果および考察を得た。
1、CO曝露群では、対照群(空気のみ)よりも線条体の細胞外AAが一過性ではあるが、統計学的に有意に増加した。このAAの変動は、細胞外グルタミン酸の変動と一致していた。興奮性のグルタミン酸の細胞外濃度が上昇すると、細胞内AAの放出を伴う取り込み機構が作動することが報告されていることから、CO曝露による細胞外AAの増加は、細胞外グルタミン酸の増加に連動するものと予想された。しかし、CO曝露によるAAの変動は、・OH生成の増強とは完全には一致しなかった。すなわち、AAの増加が認められない時間帯においても・OHの増加が観察された。
2、CO曝露時に、AA酸化酸素を線条体に直接投与して内因性AAを減少させた場合、・OHの生成は、完全に制御された。一方、不活性化したAA酸化酸素の投与では、CO曝露による・OH生成は、若干制御されただけであった。このような結果から、AAは、CO曝露による・OH生成の増強に必須であると考えられた。
3、CO曝露による・OH生成は、鉄のキレート剤であるデフェロキサミンを線条体に投与することにより、非常によく制御された。このような知見から、CO中毒による・OH生成の増強には、細胞外のAAと鉄の両者が関与することが示唆された。すなわち、細胞外AAに変動がないにもかかわらず・OHが増加した時間帯には、細胞外の遊離鉄の増加が予想された。

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi