研究課題
本研究では、宮城県内の中学二年生を追跡調査することにより、過敏性腸症候群の有病率とその症状変化を把握し、失感情症や疾病罹患時の親の対応などの因子が及ぼす影響、有症状者が患者に変化する契機を検討する。また、同時に自己効力感(self-efficacy)およびQuality of Life (QOL)の変化も追跡する。さらにトラウマに関する調査を行うことにより、トラウマの種類や受けた時期と症状出現時期を検討し、自己効力感の低さやトラウマ的体験が過敏性腸症候群の発症率を増加させるという仮説を検証する。宮城県教育委員会を通じ、県内の中学2年生約3000人に各地域の人口数に比例させて質問票・調査登録票を配布した。紙面にて本人および保護者に調査協力を求め、参加の同意が得られた調査協力者には、回答した質問票及び追跡調査登録票を期日までに研究代表者宛に返送してもらった。当初は配付数の約3割の返送を見込んでいたが、実際には341部にとどまった。追跡中に脱落することを考慮するとこれでは不足と思われたため、追加配布を行った。これにより262部の回答が得られ、計603人分の回答を得た。プライバシー保護に厳重な注意を払い、回収されたデータを研究分担者および専門業者が入力し、メモリーに保存した。このデータを研究代表者および分担者が解析を行った。さらに、追跡調査に同意した生徒のリストを作成し、次年度の調査の準備を行った。アメリカ消化器病学会に参加し、発表すると共に情報を収集した。
すべて 2009 2008
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Neuroimage 47(3)
ページ: 946-951
心身医学 48(7)
ページ: 619-623