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2009 年度 実績報告書

ヘリコバクターピロリ感染症の病態機構解明と耐性菌に対する代替療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19590696
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

喜多 正和  京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (60153087)

キーワードヘリコバクター / 耐性菌 / 漢方薬 / サイトカイン / 代替療法
研究概要

薬剤耐性H. pyloriに有効な新しい補完・代替療法として可能性が考えられる漢方薬(生薬)の抗菌作用の機構解明のため、薬剤耐性H. pylori菌株に対する直接作用と生体の免疫系を介する間接作用に分け、その抗菌作用を解析した。前年度までにin vitroにおいて強い抗菌効果が認められた生薬である大黄、黄連、茵陳蒿、丁子、甘草をH. pyloriを感染させたマウスに2週間投与した結果、in vivoにおいても同様の抗菌効果が認められた。しかしながら、短期間の投与では完全な除菌効果が得られなかったため、今年度は長期治療実験を行った。その結果、黄連、丁子、甘草が有効であることが明らかとなり、これらの生薬は薬剤耐性H. pyloriに有効な新しい補完・代替療法として有用であることが示唆された。一方、H. pylori感染症における病態形成機序の解明に関して、今年度はH. pylori感染症におけるIL-17の役割を明らかにするため、IL-17A遺伝子欠損マウスを用いて検討した。その結果、IL-17A遺伝子欠損マウスにおいてはこH. pylori感染6ヵ月後でも胃粘膜にほとんど炎症病変が認められなかった。また、炎症浸潤細胞の中でも好中球浸潤だけが有意に抑制され、感染局所のミエロペルオロシダーゼ活性が有意に低下していたことより、IL-17の欠損により好中球の浸潤が抑制された結果、炎症反応が抑制されていると考えられた。以上の結果、H. pylori感染症においては、従来知られていたTh1サイトカインに加え、新規に発見された炎症性サイトカインであるIL-17も胃炎の発症に重要な役割を果たしていることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Prevalence of Helicobacter pylori infection in long-term hemodialysis patients.2009

    • 著者名/発表者名
      Sugimoto M, Sakai K, Kita M, Imanishi J, Yamaoka Y.
    • 雑誌名

      Kidney Int. 75(1)

      ページ: 96-103

    • 査読あり
  • [学会発表] Helicobacter pylori感染症におけるIL-17Aの関与2009

    • 著者名/発表者名
      喜多正和、塩見聡、今西二郎
    • 学会等名
      第170回日仏生物学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-06-13

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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