研究課題/領域番号 |
19590698
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
小林 裕美 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (10221243)
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研究分担者 |
石井 正光 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70117927)
水野 信之 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80271188)
鶴田 大輔 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90382043)
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キーワード | 皮膚バリア機能 / 漢方薬 / 経表皮水分喪失量 / テープストリッピング / 必須脂肪酸 |
研究概要 |
皮膚バリア機能に対する漢方薬の作用についてのこれまでの研究の結果、皮膚バリア機能、漢方薬の作用のそれぞれに影響する因子とそのメカニズムを明らかにする必要があると考えられ、さらに研究をすすめた。同時に、皮膚バリア機能障害を伴う種々の皮膚疾患に対する漢方薬の作用について臨床経過をみるとともに、細胞培養系、動物実験系、臨床研究系の評価システムの構築を試みた。 皮膚バリア機能に及ぼす食の因子については、マウスにバリア機能障害をともなう皮膚炎が発症する系について、そのメカニズムについての検討を行い、飼料に必須脂肪酸の欠乏があることを新たに見つけた。また、食事日記を作成し、摂取脂肪酸に偏りがある際に、その是正を図ることで皮膚バリア機能障害を伴う皮膚炎の症状が改善することについても明らかにしてきた。これらのことにより、皮膚バリア機能を検討する際に食事日記により摂取必須脂肪酸の変動を見る必要があることが示された。 また、マウス皮膚のテープストリッピング後に経表皮水分喪失量を測定し、漢方薬の内服によりバリア機能の修復が促進されることを明らかにした。 さらに、臨床医学領域において、テープにて角層のみを採取し酵素を測定することにより、非観血的に皮膚の状態を客観的に評価する方法を確立するためのデータを集積し、基礎医学的には、皮膚バリア機能に影響を及ぼす表皮角化細胞の接着機構の構成蛋白の種々の状態における動態を検討し、評価システムの構築につながる可能性のある実験系の確立に有用な知見を得た。
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