新規炎症性腸疾患モテルマウスとして、ヒトHLA-B52遺伝子トランスジェニックマウスを樹立するために、まずヒトHLA-B52遺伝子の単離を開始した。当初ヒトHLA-B52遺伝子をホモにもつリンパ芽球培養細胞から、プロモーター領域を含むHLA-B52遺伝子フラグメントを得る予定であったが、ヒトHLA-B*52011cDNAプラスミドクローンが手に入ったため、これを用いることとした。プラスミドクローンに対し両端にリンカーを付けたPCRプライマーを設計し、cDNA配列を増幅後、pUC系プラスミドクローンに組み込んだ。さらにウサギのβグロビン遺伝子ポリAシグナルと、非古典的なHLAクラスI分子であるT3b遺伝子のプロモーター領域SphI-HindIII2.8-kbを各々有するプラスミドにサブクローンし精製した。インサート配列を310Genetic Analyzerを用い確認したところ、ライゲーション部において設計した配列と一部異なっており、塩基配列の脱落が推定された。そこでリンカー付きプライマーを再度設計し直して、PCR増幅後pUC系プラスミドクローンに組み込み、また、各サブクローン段階で塩基配列を確認した。最終的に同様の手順を踏み、DNAコンストラクトを作出し、制限酵素で切断・直線化し精製を行った。現在日本クレアよりC57BL/6JマウスとMCH-ICRマウスおよびBDF1マウスを購入し、DNAのマイクロインジェクションを計画している。
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