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2008 年度 実績報告書

胃粘膜傷害における蛋白質レベルでのイニシャルイベント ーポストゲノムの病態-

研究課題

研究課題/領域番号 19590712
研究機関順天堂大学

研究代表者

大高 道郎  順天堂大学, 医学部, 准教授 (30250872)

キーワード胃粘膜傷害 / 胃潰瘍 / 分子シャペロン / ポストゲノム / 熱ショック蛋白質 / HSP結合蛋白質 / 消化性潰瘍
研究概要

Heat Shock Protein (HSP)の分子シャペロン機能の第一段階である、細胞内の変性蛋白質を認識して、その蛋白質に極めて短時間で結合するという性質を利用すれば、胃粘膜(細胞)傷害の超急性期に生ずるイニシャルイベントとして傷害を受ける蛋白分子が「HSP不足状態」の時期にはUn-folding状態の蛋白質(HSPと結合していない)として存在するため、HSPアフィニティークロマトグラフィーで変性蛋白質分子を同定し得る可能性があり、ラットに水浸拘束ストレスを負荷することによって、その超急性期(水浸拘束1時間後)、病変完成期(水浸拘束3-5時間後)および負荷前の胃粘膜のホモジネートをそれぞれHSPアフィニティーカラムにアプライしATPで特異的結合蛋白質を溶出した。その結果、超急性期(水浸拘束1時間後)の胃粘膜ホモジネートのみHSPに特異的に結合する分子量200-kDaおよび45-kDaの2種類の蛋白質が溶出された。これら2種類の蛋白質を精製し、そのアミノ酸配列を解析したところ、これらの蛋白質はそれぞれmyosin heavy chain, actinであることが明らかとなった。これまで、胃粘膜傷害のinitiatorやinitialeventは全く不明であったが、約十数秒の間に変性した蛋白質に結合し、高次構造を正常化するHSPの性質を利用することにより、潰瘍治療の標的と成り得る分子を同定できた。本研究で得られた成果は、将来の分子医学的あるいはポストゲノム研究を応用した潰瘍治療の開発に寄与するものと考え報告する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Target molecules of molecular chaperon (HSP70 family) in injured gastric mucosa in vivo.2009

    • 著者名/発表者名
      Otaka M, et al.
    • 雑誌名

      Life Sci

      ページ: 664-667

    • 査読あり
  • [学会発表] Target molecules of molecular chaperon (HSP70 family) in injured gastric mucosa in vivo.2008

    • 著者名/発表者名
      Izumi Y, Otaka M, et al.
    • 学会等名
      米国消化器病学会(AGA)
    • 発表場所
      サンディエゴ(米国)
    • 年月日
      20080500

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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