研究課題/領域番号 |
19590716
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
長堀 正和 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (60420254)
|
研究分担者 |
渡辺 守 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10175127)
金井 隆典 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (40245478)
深尾 太郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, メディカルフェロー (20401127)
|
キーワード | 炎症性腸疾患 / 白血球除去療法 / 新規治療法 / 潰瘍性大腸炎 / クローン病 |
研究概要 |
これまでの研究期間内に、ヒト単球にはCD14^<++>CD16^-、CD14^-CD16^+の異なるフェノタイプの存在を明らかとした。さらに、CD14^-CD16^+単球は主要組織適合遺伝子HLA-DRおよび共刺激分子CD86の発現がより高く、さらに、TNFα、IL-12,IL-18といったproinflammatoryサイトカインの産生もより高値であった。これら単球のうち、CD14^-CD16^+単球に対して、抗ヒトTNFα抗体インフリキシマブは強いアポプトーシス活性を有し、ヒト炎症性腸疾患における責任細胞がTNFαを含む様々なproinflammatoryサイトカインを産生する CD14^-CD16^+単球である可能性を示唆した。さらに、興味深いことに白血球除去療法のうちLCAP(せルソーバー)はCD14^<++>CD16^-単球に比べCD14^-CD16^+単球を潰瘍性大腸炎患者より選択的に除去することを明らかとした。このことは,臨床先行型に開発応用されてきた白血球除去療法の作用機序として、体外式抗TNFα抗体療法との位置づけが想定され臨床的にも意義深い知見と言えるかもしれない。今後の研究期間内に、さらに特異的体外式抗TNFα療法として、白血球除去療法カラム内での抗TNFα抗体吸着ビーズの開発を展開する予定である。さらに、本療法の特徴は、TNFα特異的という反面、TNFα以外のproinflammatoryサイトカインを標的とする二面性を有する先進的な臨床応用となることが期待される。
|