研究課題
本研究は、マウス慢性大腸炎モデル(CD4^+CD45RB^<high> T細胞移入大腸炎モデル)を使用し、腸炎惹起生免疫記憶T細胞の加齢に伴い形質的、機能的に腸炎惹起生免疫記憶T細胞の制御性T細胞への変化を追求し、その腸炎惹起生免疫記憶T細胞より変化した制御性T細胞を使用した難治性慢性腸炎の新規治療法開発への基盤とするものである。本研究では当初の研究計画に示した項目につき、下記に示すごとく大きな研究成果が得られた。1) CD4^+CD45RB^<high> T細胞移入大腸炎モデルを使用し、腸炎発症LPCD4^+T細胞移入を繰り返すことで、腸炎発症までの期間が延長し、6世代までは全例腸炎を発症したが7世代以降は腸炎未発症マウスが出現し大腸炎発症率も減少した。また、7世代マウスは、Th1、Th17サイトカイン産生が低下した。2) CD4^+CD45RB^<high> T細胞移入大腸炎モデルを使用し、 CD4^+CD45RB^<high> T細胞と1世代LPCD4^+T細胞を共移入した群は腸炎を発症したが、腸炎未発症7世代LPCD4^+T細胞を共移入した群は腸炎を発症しなかった。これは、病的CD4^+T細胞が、その病的CD4^+T細胞を抑制する制御性CD4^+T細胞に変化したことを示した、世界ではじめての画期的な業績である。以上より、腸炎惹起生免疫記憶T細胞の加齢に伴い制御性T細胞への変化し、その腸炎惹起生免疫記憶T細胞より変化した制御性T細胞が難治性慢性腸炎の新規治療法開発への可能性を示すなど多大な成果をあげた。
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