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2009 年度 実績報告書

生活習慣病としての慢性萎縮性胃炎および胃がん発生におけるアディポネクチンの意義

研究課題

研究課題/領域番号 19590732
研究機関大阪医科大学

研究代表者

樋口 和秀  大阪医科大学, 医学部, 教授 (20218697)

キーワードアディポサイトカイン / アディポネクチン / 炎症 / Helicobacter pylori / 胃炎 / tumor necrosis factor / interleukin-8
研究概要

脂肪組織から分泌される生理活性物質(アディポサイトカイン)のうちのひとつであるアディポネクチンは抗糖尿病作用、抗動脈硬化作用の他に抗炎症作用や抗がん作用を有することが報告されている。本研究では、Helicobacter pylori (Hp)感染によって引き起こされる胃炎に対するアディポネクチンの意義を検討する目的で以下の検討を行った。
1.ヒト単球系細胞株(THP-1)をglobularアディポネクチンの存在下あるいは非存在下で培養した後Hp菌体水分画可溶成分を添加したところ、アディポネクチンはHp菌体水分画可溶成分によるTNF-αおよびIL-8の産生を低下させた。
2.Hp感染は胃潰瘍と密接な関連がある。一方、糖尿病は胃潰瘍の発症リスクであることが報告されている。本研究ではアディポネクチンと同様に脂肪組織から分泌され摂食やエネルギー代謝を調節するホルモンであるレプチンに注目し胃潰瘍治癒過程におけるレプチンの意義について検討した。結果、レプチンは血管新生促進作用を介して潰瘍治癒を促進している可能性が示唆された。
3.アディポネクチンは免疫機構に重要な意義を有している。Hp感染胃粘膜炎症におけるアディポネクチンの免疫調節・制御機構を検討するための予備研究としてHp感染胃炎におけるIL-17の意義について検討した。その結果、IL-17はHp胃炎に対してはTh1細胞の分化を抑えて抗炎症的に働いている可能性が示唆された。
4.Hp感染による腸上皮化生の発症機序の解明のため、胃上皮細胞に対する胆汁酸による腸上皮化生誘導に関する検討を行った。その結果、胆汁酸が核内受容体であるfarnesoid X receptorの活性を介して腸上皮化生誘導のための転写因子であるCdx2遺伝子発現を誘導している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Leptin promotes gastric ulcer healing via upregulation of vascular endothelial growth factor2010

    • 著者名/発表者名
      Tetsuya Tanigawa, et al.
    • 雑誌名

      Digestion 81

      ページ: 86-95

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Bile acids induce cdx2 expression through the farnesoid x receptor in gastric epithelial cells2010

    • 著者名/発表者名
      Xu Y, et al.
    • 雑誌名

      J Clin Biochem Nutr. 46

      ページ: 81-86

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Anti-inflammatory effects of IL-17A on Helicobacter pylori-induced gastritis2009

    • 著者名/発表者名
      Koji Otani, et al.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun. 382

      ページ: 252-258

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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