研究課題
胆汁うつ滞時に変化する蛋白の発現抑制が病態においていかに影響するかを検討することを目的とした。前年度に引き続きヒト胆管細胞を用いて、等電点蛋白電気泳動法にて小葉間胆管および細胞胆管由来の蛋白を展開し、発現に有意な差があるスポットの同定を行った。さらに、インターフェロンγなどの炎症サイトカインにて誘導されるスポットを検討することにより、胆管炎にてより関連して表出される蛋白を選択的スクリーニングし、この手法にて吊り上げられたスポットの蛋白を同定し、臨床的な意義付けを行った。ヒトPBCにおいて、見出した蛋白分子が関与していることを証明するために抗体入手が可能な蛋白な場合は主に病理検体を用いた免疫染色にて小葉間胆管選択的な胆管炎との関連を分析した。さらに、現在PBCのマウスモデルとして報告されているNODc3c4マウスの胆管細胞を用いて、その蛋白分子の関与について検討した。その結果、約15の分子が、胆汁うつ滞により発現上昇していることがわかり、そのうち同定が可能であったAnnexinについて検討を進めたところ、細胞内のカルシウム濃度やATPによりその胆汁分泌作用が調整されていることが判明した。さらにこの分子を強制的に発現させること利胆においていかに作用があるかを細胞生物学的に検討した。
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