研究課題/領域番号 |
19590746
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
齋藤 貴史 山形大学, 医学部, 准教授 (80250918)
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研究分担者 |
邵 力 山形大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80344787)
河田 純男 山形大学, 副学長 (90183285)
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キーワード | C型肝炎 / TM7SF2 / HCV / 脂質 / 脂質ラフト / SNP / 感染症 / siRNA |
研究概要 |
C型肝炎ウイルス(HCV)多発地区におけるコホート研究において、感染既往者と感染持続者の遺伝子一塩基多型性(SNP)を比較検討した結果、HCV感染における感染防御の候補遺伝子として、コレステロール生合成を制御する脂質生合成酵素(TM7SF2)遺伝子の遺伝子多型が、HCV感染成立に影響する宿主側の遺伝要因の一つであることを明らかにし、具体的に11番染色体上の433番アミノ酸のThrからIleへの置換により感染排除が起こりやすいことが判明した。TM7SF2は、HCV増殖に必要な脂質ラフトをはじめとする脂質微小環境の形成に関与することが推察され、TM7SF2のHCV増殖への関与の有無を明らかにするために、in vitroにおけるHCV感染細胞系を用いて、TM7SF2がHCV感染増殖に必須の酵素であるか否か検討した。研究分担者の邵により、HCVレプリコン(pFL-J6/JFH)をHuh7.5細胞へ遺伝子導入を行い、HCV発現細胞を継代し、培養細胞から高力価の感染性ウイルスの作成に成功した。Huh7.5細胞におけるTH7SF2 mRNAの発現状態モニタリング法をcyher greenを用いたリアルタイムPCR法で確立すし、細胞内におけるTM7SF2 mRNA発現の定量を行った。TM7SF2のHCV増殖における関与を証明するため、TM7sF2 siRNAをHCV感染培養細胞へ遺伝子導入を行い、TM7SF2遺伝子発現のノックダウン細胞を作成した。このTM7SF2遺伝子ノックダウン細胞に、HCVレプリコンを導入してHCV RNA発現量を測定したところ、HCV RNAの細胞内発現量が、TM7SF2遺伝子のノックダウン細胞では、非ノックダウンのコントロール細胞のそれと比較して約10%低下することを見出した。次に、本HCV培養系で作成された感染性ウイルス粒子を用いて、TM7SF2遺伝子ノックダウン細胞にウイルスを感染させた際のウイルス増殖効率を検討したが、この場合はウイルス増殖の有意な抑制は見られなかった
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