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2008 年度 実績報告書

肝幹細胞を用いた幹細胞移植療法とC型肝炎ウイルス感染モデル動物の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19590752
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

東 正新 (陳 正新)  東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (10376783)

研究分担者 柿沼 晴  東京大学, 医科学研究所, 客員研究員 (30372444)
キーワード肝幹細胞 / C型肝炎ウイルス / 細胞移植 / FACS / shRNA / 肝細胞
研究概要

本研究において我々は、(1)初代肝幹細胞を分離・培養し、これを利用して新規の細胞移植モデルをマウスにおいて確立すること、さらに、(2)マウス肝臓を大きくヒト肝細胞で置換しうる新規移植系を構築し、得られた「Humanized Liver」に対してC型肝炎ウイルス感染モデル動物の構築を行うこと、を目的として研究計画を遂行し、今年度の成果として下記を得た。
(a)研究代表者・分担者らはまず、高速セルソーターを用いて、Dlk^+CD45^-Ter119^-のマウス肝幹/前駆細胞が高濃度に純化された画分を得る手法を確立し、分化・増殖に関与することを予想していた遺伝子の解析を行った。この研究によって転写因子Prox-1が肝幹/前駆細胞の細胞周期を正に制御し、強制発現によって肝幹/前駆細胞の長期増殖が可能になることを見いだした(Hepatology, 2008)。同様に転写因子Sall4が胆管細胞への分化を促進することを見いだした(Gastroenterology, 2008)。
(b)初代肝幹細胞と肝幹細胞に増殖誘導をかけた細胞、分化誘導をかけた細胞を用いて、細胞移植を行いin vivo assayによって肝幹細胞の機能の変化を評価する系の構築を試みた。野生型成熟肝細胞を移植することで肝臓の約30-50%がドナー細胞によって置換される移植モデルの構築に成功した(unpublished data)。
(c)さらにC型肝炎ウイルス感染動物に対する治療モデル系の構築を行った。HCV構造蛋白をinducibleに発現できるマウスに対して、HCVレプリコンに増殖抑制効果があることを確認したshRNA配列を発現させたところ、このshRNA配列がin vivoでもHCV蛋白の発現を抑制できることを示し(J Gastroenterol Hepatol, 2008)、本研究計画の目的は概ね達成されたものと考えられた。一方で将来的な検討課題として、より効率の高い移植モデルを開発して、患者血清検体を直接解析できる系の開発が期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Two flavonoids extracts from Glycyrrhizae radix inhibit in vitro hepatitis C virus replication.2009

    • 著者名/発表者名
      Sekine-Osajima Y, ChenCH., et al.
    • 雑誌名

      Hepatology Research 39

      ページ: 60-69

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Sall4 regulates cell fate decision of fetal hepatic stem/progenitor cells2009

    • 著者名/発表者名
      Oikawa T, Kakinuma S, etal.
    • 雑誌名

      Gastroenterology 136

      ページ: 1000-1011

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hepatic stem/progenitor eelfor the treatment of liver ds and stem-cell transplantationsease.2009

    • 著者名/発表者名
      Kakinuma S, et al.
    • 雑誌名

      J Gastroenterol 44

      ページ: 167-172

  • [雑誌論文] Prospero-related homeobox 1 and liver receptor homolog 1 coordinately regulate long-term proliferation of murine fetal hepatoblasts.2008

    • 著者名/発表者名
      Kamiya A, Kakinuma s, etal.
    • 雑誌名

      Hepatology 48

      ページ: 252-264

    • 査読あり
  • [学会発表] Analysis of cell surface proteins on hepatic stem/progenitorcells in fetal liver2008

    • 著者名/発表者名
      Kakinuma s, et al.
    • 学会等名
      FASEB summer research conference
    • 発表場所
      Snowmass CO USA
    • 年月日
      2008-08-04
  • [学会発表] 3cmを超える肝細胞癌に対する当科の治療方法と成績2008

    • 著者名/発表者名
      陳 正新, 他
    • 学会等名
      第4 4回日本肝臓学会総会
    • 発表場所
      愛媛県県民文化会蔀
    • 年月日
      2008-06-05

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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