研究課題/領域番号 |
19590754
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
安保 徹 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30005079)
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研究分担者 |
川村 宏樹 新潟大学, 医歯学系, 講師 (20333495)
神田 泰洋 新潟大学, 医歯学系, 助教 (00436768)
川村 俊彦 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70301182)
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キーワード | 肝臓 / リンパ球 / NKT細胞 / 自然免疫 / 自己抗体 / 胸腺外分化T細胞 / B細胞 / 自己免疫疾患 |
研究概要 |
肝臓は、末梢のリンパ臓器とは大きく異なるリンパ球分布を示し、これら肝臓特異的なリンパ球は肝炎などの肝障害、癌の肝転移、肝臓における感染症、肝再生、免疫寛容など、多くの免疫現象に関与している。肝臓は消化・代謝臓器としてのみならず、免疫臓器として注目されている。これらの背景をもとに研究を進めたところ、平成20年度は、以下の研究成果が得られた。 正常なadultマウスの末梢免疫臓器のB細胞は主にB220^<high>であるが、新生児や老齢マウスではunconventionalなB220^<low>B細胞の割合が増加していることが分かった。そこで我々は、新生児期や老齢期において、肝臓・脾臓及び骨髄に出現するB220^<low>B細胞の解析を行い、この細胞が自己抗体産生細胞であることを明らかにし、報告した。 また、Concanavalin A(Con A)誘導性の自己免疫性肝炎モデルマウスを用い、肝炎の病態について解析した。Con A投与による自己抗体産生のピークは初期(3日目)と後期(14日目)に分かれており、後期ではB220^<low>B細胞が出現しており、そのB220^<low>B細胞がlgGの自己抗体を産生していることが明らかになった。この自己抗体は直接肝障害に影響するものではないことが示唆されたが、後期ピーク時に胸腺外分化T細胞及びNKT細胞が増加することから、この自己抗体の産生には胸腺外分化T細胞やNKT細胞の関与が考えられた。
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