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2009 年度 実績報告書

B型肝炎の抗ウイルス療法における血中RNA遺伝子量測定の意義

研究課題

研究課題/領域番号 19590757
研究機関信州大学

研究代表者

田中 榮司  信州大学, 医学部, 教授 (50163506)

キーワードB型肝炎 / RNA遺伝子 / 抗ウイルス療法
研究概要

平成20年度は、HBV DNA量とRNA量を同時に測定する方法(HBV RNA/DNA量)を検討し、これを2.6log copy/mlの感度で定量的に測定することが可能になった。同測定法はDNA分解酵素での処理過程がないので、RNA量測定法に比較しより簡便で安定した測定結果が得られた。
これまでの研究で、HBV関連核酸や抗原の測定系としてHBV DNA量、HBV RNA/DNA量(HBV RNA量)、HBVコア関連抗原量が揃ったので、平成21年度はこれらの臨床的有用性を比較検討した。対象はラミブジン治療を行ったB型慢性肝炎患者36例である。36例中16例で治療中耐性株が出現し、HBV DNAの再上昇がみられた。治療開始6ヶ月目のHBV DNA量(cut-off=2.6log copy/ml)、HBV RNA/DNA量(cut-off=3.8log copy/ml)、HBcrAg量(cut-off=4.0log U/ml)で耐性株出現を予測したところ、感度、特異度、精度はそれぞれ、HBV DNA量で25%、100%、67%、HBV RNA/DNA量で50%、90%、72%、HBcrAg量で100%、40%、67%であった。これらの結果より、HBV DNA量は耐性株が出現しやすい症例の予測に、また、HBcrAg量は耐性株が出現しにくい症例の予測に有用であることが示された。HBV RNA/DNA量はHBV DNA量と類似した予測能であったが、DNA量に比較してより感度が高く、精度は3者の中で最も優れていた。以上の成績から、HBV RNA/DNA量の測定は、核酸アナログ薬治療において耐性株出現予測の新しいマーカーとして使用可能である可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Comparison of hepatitis B virus DNA, RNA, and core related antigen as predictors of lamivudine resistance in patients with chronic hepatitis B

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto A
    • 雑誌名

      Shinshu Medical Journal (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] B型慢性肝炎の核酸アナログ薬治療中止例の検討2009

    • 著者名/発表者名
      松本晶博
    • 学会等名
      第13回日本肝臓学会大会
    • 発表場所
      京都市
    • 年月日
      2009-10-15

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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