研究課題/領域番号 |
19590769
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
是永 匡紹 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (70420536)
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研究分担者 |
日野 啓輔 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80228741)
是永 圭子 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60420535)
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キーワード | ミトコンドリア / 鉄過剩状態 / HCVTgM / 肝発癌 / 酸化ストレス / 小胞体ストレス |
研究概要 |
I.鉄負荷HCV TgM (肝発癌モデル)におけるミトコンドリア障害機序の解析 鉄負荷によりミトコンドリア障害が増強する機序解明のために以下の検討をおこなった。 (1)ミトコンドリア外膜蛋白障害の有無 外膜に局在するCPT(カルニチントランスフェラーゼ)-1の発現低下が明らかになり、 HCVは鉄過剰状態の存在下で、ミトコンドリアβ酸化能を引き起こすことが確認された (2)ミトコンドリア障害と小胞体ストレスの関与 HCV蛋白と鉄が、ミトコンドリア外膜障害することにより、ミトコンドリア内部へCa2+を流入が容易になることが推測された。また細胞内Ca2+の流入のセンサーである小胞体機能に着目し、小胞体ストレスマーカーであるCHOPやXBP1の亢進が確認された。 (3)小胞体ストレスと肝脂肪化 小胞体機能異常は、脂肪化を亢進させると報告されるため、脂肪酸合成能(SRBPlc)を測定し、その発現亢進を確認した。 以上より、 HCVは、鉄過剩状態を惹起するだけでなく、小胞体ストレスを亢進させることでミトコンドリア障害や脂肪化を相加的に増悪させ、肝発癌に関与すると考えられた。 II. HCV full length replicon増殖細胞におけるミトコンドリア障害の解析 (4) HCVが排除されなくても、減少するだけでミトコンドリア機能が維持されることを確認し、 IFNによる長期持続投与が重要であることを報告した。
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