C型慢性肝炎に対する瀉血療法で採取された血液にはC型肝炎ウイルスが存在しているため廃棄処分されている。本研究は、この末梢血液を再利用する事により安全で安価な新しい肝不全治療戦略の可能性を追求するものである。本研究では、以下の内容を示すことができた。1)瀉血血液中には肝細胞へ分化可能な細胞が存在している。2)瀉血により血中ヘモグロビン値の低下を認めた症例では、末梢血幹細胞のマーカーであるCD34陽性の細胞が瀉血血液中に増加する。3)瀉血により血中ヘモグロビン値の低下を認めた症例では、肝細胞へ分化しうる細胞集団も増加する。
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