研究課題
HCVは感染細胞内でウイルス蛋白と宿主因子からなる複製複合体を形成し効率良くウイルス複製を行っていると考えられている。本研究はプロテオミックス技術により、HCV複製複合体(RC)を構成する宿主因子を同定し、その機能を解析することを目的とした。サブゲノムレプリコン(genotype 1b)を有するHuh7細胞からHCVRCを含む界面活性剤不溶性膜分画を抽出し、Huh7細胞と比較した(プロテオーム解析1)。また、HCV RNA複製効率は宿主細胞の増殖性と相関することが知られているので、フルゲノムレプリコンを含むHuh-7細胞から膜分画を対数増殖期と非増殖期から回収し、比較した(プロテオーム解析2)。解析1の結果、約1500個の蛋白が検出され、62個がレプリコン細胞で2倍以上蛋白量が増加しており、それらはHeat shock protein、Chaperone、Enzyme、Receptor signaling complex、Ubiquitin proteasome system proteinなどに分類された。解析2の結果、約1300個の蛋白が検出され、45個が高HCV複製期に1.5倍以上蛋白量が増加していた。解析1、2のいずれでも増加した蛋白として、分子シャペロンT-complex polypeptide 1 ring complex(CCT)のサブユニットなどが同定された。HCV複製の分子機構を解明し関与する宿主因子を同定、解析することは新規治療法開発につながることが期待できる。我々はプロテオミックス技術を利用してHCV RCを構成すると考えられる複数の宿主因子を同定した。中でも分子シャペロンCCT5はNS5B蛋白と結合することによりウイルスRNA複製を調節する可能性が考えられた。
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