研究概要 |
1.心筋症の試料収集ならびに家系調査: 北陸地方を中心に心筋症の調査を行い,新たに肥大型心筋症患者(発端者)5名,拡張型心筋症患者(発端者)2名を検出し,総計肥大型心筋症395家系,拡張型心筋症147家系を同定した。これらの患者に関して,計画実施案に従ってインフォームド、コンセントを得た後,家族に関する聞き取り調査,発端者ならびに家族の心電図,心臓超音波検査,遺伝子診断用採血(EDTA血10m1)を実施した。これまでに既に集積していた肥大型及び拡張型心筋症も含めて,遺伝子変異を検索した。 2.フォスフォランバン,心筋リアノジン受容体,及びサルコメア遺伝子変異の検索: 心筋症発端者に関し,末梢血白血球からgenomic DNAを抽出し,PCR-SSCP法によりフォスフォランバン,心筋リアノジン受容体,およびサルコメア遺伝子変異のスクリーニングを行った。PCR-SSCP法にて異常バンドが認められた場合,直接シークエンス法を用いてDNA配列を解析し,RFLP法にて確認を行った。 3.フォスフォランバン遺伝子を含んだ発現ベクターの作製 フォスフォランバンのコーディング部位がエクソン2のみに含まれていることを利用し,ゲノムDNAのPCRにてコーディング部位のみを増幅した。これによりMutagenesisの手間を省き,正常者及び変異保因者の配列を有するcDNA配列の作製に成功した。現在,増幅した配列をプラスミドベクターpcDNA3.1(+)(Invitrogen)に導入し,野生型/変異発現ベクターを作製する段階である。
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