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2007 年度 実績報告書

心筋細胞の機能維持におけるNRSF-NRSE系とPPAR系とのクロストークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19590814
研究機関京都大学

研究代表者

原田 昌樹  京都大学, 医学研究科, 助教 (30342695)

研究分担者 桑原 宏一郎  京都大学, 医学研究科, 講師 (30402887)
キーワード心筋細胞 / 代謝 / 転写因子 / PPAR / クロストーク
研究概要

心不全、特に一般に心筋症と呼ばれるような、虚血によるとは限らない左心室壁運動異常におけるNRSF-NRSE系とPPAR系のクロストークを解明することが本研究の目的であった。虚血性心疾患でなくてもそのような低左室機能は後に顕性の心不全を発症し、患者のQuality of lifeを制限するのみならず、致死性の不整脈による突然死の原因になることも多い。その病態に心筋局所におけるレニン-アンジオテンシン系やエンドセリン-1などの液性因子の活性化の関与が示唆されているが、同時にエネルギー代謝の変化との関連も予想される。しかし心筋細胞におけるエネルギー代謝の詳細や上記の液性因子との関連については不明の点が多い。心筋はエネルギー源として脂質を使用する率が高く、特に糖尿病患者の心筋ではATP産生のエネルギー源として脂肪酸酸化の占める割合が増加することが知られているが、この病態では脂肪酸の細胞内への取り込みが亢進し、その蓄積が心筋細胞傷害、心機能低下につながる可能性が考えられる。最近私たちが不全心で発現が亢進する心筋胎児型遺伝子の転写調節機構の解明を目的に作成した優勢抑制変異型NRSF(Neuron restrictive silencer factor)トランスジェニックマウスは生後心不全を発症し、不整脈で突然死していく拡張型心筋症モデルマウスとなったが、同時にその心筋細胞ではミトコンドリアの著明な変性が認められた。ここにエンドセリンー1等の液性因子刺激による心筋細胞の反応に関与するNRSFと、PPARに依存した脂肪酸代謝において中心的役割を果たすミトコンドリアとのリンクが判明した。さらに我々は心筋細胞の増殖や分化に重要な働きをすることが示唆されているp300について、その優性抑制変異型を過剰発現するトランスジェニックマウスを作成したところやはり拡張型心筋症、心不全の病態を示し、そのミトコンドリアの形態にも特徴的な変化が認められた。このDNp300トランスジェニックマウスの心臓ではPPAR γ coactivator-1αmRNAの発現の減少が認められた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Association of CT dinucleotide repeat polymorphism in the 5'-flanking region of the guanylyl cyclase (GC) -A gene with essential hypertension in the Japanese.2008

    • 著者名/発表者名
      Usami S, et. al.
    • 雑誌名

      Hypertens Res. 31

      ページ: 89-96

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Images in cardiovascular medicine. Mitochondrial cardiomy evaluated with cardiac magnetic resonance.2007

    • 著者名/発表者名
      Nakanishi M, et. al.
    • 雑誌名

      Circulation 116

      ページ: e25-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Genetic disruption of angiotensin II type la receptor improves long-term survival of mice with chronic severe aortic regurgitation.2007

    • 著者名/発表者名
      Nakanishi M, et. al.
    • 雑誌名

      Circ. J 71

      ページ: 1310-6

    • 査読あり
  • [学会発表] Functional inhibition of p300 in the post-natal heart leads to mitochondrial dysfunction and cell death in mice2008

    • 著者名/発表者名
      Nakagawa Y, et. al.
    • 学会等名
      第72回日本循環器学会学術集会
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      20080328-30

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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