研究課題/領域番号 |
19590821
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
竹本 真生 九州大学, 大学病院, 助教 (90403998)
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研究分担者 |
井手 友美 九州大学, 大学病院, 臨床助教 (90380625)
西坂 麻里 九州大学, 大学病院, 医員 (00448424)
岸 拓弥 九州大学, 医学研究院, 研究員 (70423514)
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キーワード | 心不全 / 交感神経 / 内皮依存性血管拡張反応 / 酸化ストレス / 温熱療法 / 足温浴 |
研究概要 |
うっ血性心不全の既往のある心機能障害患者を対象(拡張障害も含)とし、まず足温熱療法の心不全に対する急性効果と安全性の検討を12症例を対象に行った。足温熱前に比べて後では脱水や心不全増悪などのadverse effectsが生じた症例は認められず安全性については問題無いと考えられた。血圧・脈拍・深部体温などのバイタルサイン、発汗量、血管内皮機能(FMD)、交感神経活性(心拍変動)、血液・尿生化学的変化(神経体液性因子、炎症・酸化ストレスマーカーなど)についての検討では、脈拍数変化は-2.4±2.4/分、血圧変化は-13±-15mmHgと共に低下傾向を認めたが統計学的に有意差は認められなかった。一方、深部体温は+0,4+0.2℃と有意な全身性の体温上昇が認められた。FMDは7人で有意な改善が認められ、心拍変動解析では8人に有意な交感神経活性抑制効果が認められた。採血および採尿による生化学的解析では、hs-CRP、PAI-1、hANPは低下傾向を認めたが統計学的に有意差は認められなかったが、尿中カテコラミン3分画では有意な低下傾向を認めた。酸化ストレスマーカーについては現在検査中である。また3症例でスワンガンツカテーテル留置下での足温熱効果の検討が行え、2症例にて心拍出量増加、肺血管抵抗減少が示されました(1症例は有意変化なし)。以上の結果から足温熱療法の急性効果として副交感神経賦活化効果、血管内皮機能および心機能改善効果が示唆された。来年度は約1-3ヶ月間足温熱療法を継続し慢性効果の検討を行う予定である。さらに上記評価項目に加え、心胸郭比、心エコーによる心腔サイズ・左心室収縮力、運動耐容能などの評価を行っていく予定としている。
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