研究課題/領域番号 |
19590823
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
小野 克重 大分大学, 医学部, 教授 (40253778)
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研究分担者 |
李 泰成 大分大学, 医学部, 助教 (10336266)
鄭 明奇 大分大学, 医学部, 助教 (90433052)
森島 真幸 大分大学, 医学部, 助教 (40437934)
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キーワード | アポトーシス / Ca^<2+>チャネル / リモデリング / 不整脈其質 / ペースメーカー |
研究概要 |
Ca^<2+>はさまざまな生理現象において細胞内シグナルとして働くことが知られている。一方、細胞膜に存在する電位依存性Ca^<2+>チャネルは細胞膜の電気的興奮を細胞内Ca^<2+>シグナルに変換する役割を果たしている。T型Ca^<2+>チャネルの機能は未だ明確ではないものの、心肥大の形成や心臓のペースメーカー電位の形成に関与しており、アポトーシス発生のシグナルとして重要な役割を果たしている可能性がある。 本研究は心筋細胞のアポトーシスの形成に関与する細胞内Ca^<2+>の増加にT型Ca^<2+>チャネルが重要な役割を果たしているかどうかを明らかにした。T型Ca^<2+>チャネルを介したアポトーシスの経路を仮定し、HEK293細胞にT型Ca^<2+>チャネルサブユニットα1Hを過剰に発現させたHEK-α1H細胞を用いて以下の結果を得た。 (1)T型Ca^<2+>チャネルの存在により、細胞外Ca^<2+>濃度([Ca]。)の上昇が細胞内Ca^<2+>濃度([Ca]_i)の上昇を引き起こすことを膜透過性Ca^<2+>結合蛍光色素Fluo-3AMを用いてフローサイトメトリーで確認した。 (2)フローサイトメトリーによりミトコンドリア膜電位を検討し、[Ca]。が高くなるとミトコンドリア膜電位の消失した細胞が増加していることを確認した。 (3)アポトーシスの過程で増大するカスパーゼ活性を測定し、増大したカスパーゼのサブタイプおよび時間経過により、アポトーシスがミトコンドリア経路を介することを確認した。 (4)更に、本研究で誘導されたアポトーシスがT型Ca^<2+>チャネルに依存していることを確認するために、T型Ca^<2+>チャネルブロッカーであるニッケル、ミベフラジルを投与することによってアポトーシスが抑制されることを示した。
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